顔汗、寝汗、不安汗…いろいろな汗の種類とその原因とは

admin 顔汗原因

顔汗、寝汗、不安汗…汗には色々な種類があります。

スポーツ後にかいたり温泉に入った後にかく汗は、気持ちのいいものです。しかし、不安や緊張など精神的なストレスが原因でかく汗や、更年期のホルモンの分泌量の低下が原因でかく汗は、大量に流れる上にベトベトしていて大変不快に感じるものです。とくに「急に汗かきになった」「顔や脇など、身体の一部分だけ、大汗をかく」などの悩みは、深刻です。

汗は、身体の体温の上昇を防ぐためにかきますが、他に精神的なストレスに反応して出る場合もあります。

 

ここでは、さまざまな種類の汗と、その原因についてご紹介します。

 

(顔)汗はなぜかくの?

汗は、身体の体温調節を行うために出ます。気温が高いときやスポーツをした時など、熱が身体にこもってしまい体温が上昇してしまいます。そのままにしておくと内臓などに深刻なダメージを追ってしまう為、汗をかいて体温を下げるのです。

体重60キロの人であれば、体表から約85ミリリットルの汗が蒸発すると、体温が約1度下がることになります。

汗腺(汗の出る腺)は交感神経につながっていて、脳の体温調節中枢から信号が送られると刺激され、身体が体温上昇の情報を受けると、体温調節中枢が汗の量を増やすよう信号を送ります。その結果、汗をかくことで体温が一定に維持されるのです。

 

また、手のひらや足のうら、顔の汗などは、精神的なストレスに反応して出ることがあります。「手に汗をにぎる」「冷や汗をかく」などの言葉もあるように、人間は怒ったり不安を感じることが、汗の原因となります。

このように、ストレスが原因で出る汗を「精神性発汗」といいます。

 

加齢と顔汗

高齢者と若年者で汗の出方を比較すると、高齢者は汗が出始めるまでの時間が長く、上半身に汗をかきやすいといわれています。

このような加齢による汗の減少は、汗腺の分泌機能が低下することが原因です。汗の機能の加齢による変化は個人差が大きく、居住環境や職業、体力やライフスタイルなどの要因によって大きく変わります。

また、「急に汗をかくようになった」など、汗の出方に変化があっても、それが加齢によるものなのか他の要因(甲状腺機能亢進症や更年期障害など)による変化なのかの判別は難しいので、症状が続くようなら早めにクリニックを受診することが大切です。

 

女性ホルモンと顔汗

同じ体温でも、女性と男性で比較すると、女性の汗の量は男性の3分の2から3分の1程度で、汗が出始めるまでの時間も、女性の方が長いとされています。これは女性ホルモンの影響が大きいとされています。

男性ホルモンであるアンドロゲンは、汗腺の機能に対して促進的に作用しますが、女性ホルモンであるエストロゲンは抑制的に作用するからです。

 

成人女性は、月経の周期によっても汗の出方が変わることがあります。月経が終わって排卵が起こるまでのおよそ14日の期間は、卵巣において卵細胞が成熟する時期であり、これを卵胞期といいます。

卵胞期には卵胞からエストロゲン(卵胞ホルモン)が分泌される。その後、月経から数えて14日目ころには、体温が下がり排卵が起こります。

排卵の後、卵細胞が放出された後の卵胞は黄体に変化し、黄体は次の月経までのあいだ維持されますが、この時期を黄体期といいます。この黄体期には、プロゲステロン(黄体ホルモン)がエストロゲンとともに分泌され体温が高くなります。

このように卵胞期と黄体期は体温に変化があり、これが原因で汗の出方に変化が出る場合もあります。

 

更年期障害と顔汗

更年期障害の女性は、突然顔に汗をかいたり、のぼせやほてり、動悸、手足の冷え、疲労感、抑うつ感、いらいら、不眠、などの症状に悩むことがあります。

これらの症状の多くは自律神経の異常から生じたものです。

とくに急な顔汗、のぼせ、ほてりは、体温調節の機能の変化に伴いあらわれる症状です。これは、閉経して卵巣の機能が低下しエストロゲンが減少することが原因です。

前述したとおり、女性ホルモンであるエストロゲンは抑制的に作用していますが、このエストロゲンが減少したために、汗腺機能調節が乱れてしまうのです。

 

睡眠中の顔汗

人は、人生の3分の1の時間を眠って過ごしますが、この睡眠中にも全身から相当の汗をかいています。睡眠は、レム睡眠とノンレム睡眠から成り立っていて、睡眠に入るとまずノンレム睡眠が起こり、その後レム睡眠に切り替わります。

ノンレム睡眠とレム睡眠の役割は確定しているわけではなく、簡単にいえば、ノンレム睡眠とは脳と身体の休養で大脳の活動も低下している睡眠状態で、レム睡眠は身体の休養で大脳皮質は活動している睡眠状態といえます。

通常、レム睡眠に入ると汗は出なくなり、ノンレム睡眠では汗が増えます。ただし、レム睡眠でもときどき汗が急に増えるということもあります。これは、怖い夢を見ているなどの心理的なストレスが原因とされています。

 

発熱と顔汗

風邪をひいた際などは、まず免疫力を上げる為に発熱します。そして、免疫力が十分活性化できる温度で、ウイルス等の異物を排除し始めると、今度は高体温で体力を消耗しない様に汗をかいて体温を低下させます

 

通常の発熱経過

クラシエ様 『風邪(かぜ)をひいてしまったら体温を上げてウイルスと戦おう』より引用

ですから、体温を下げようとして汗を無理にかいても、一時的に体温が下がるだけで根本的な治療にはなりません。感染している状態が終息していない限り、また高体温は続いてしまいます。

体温が高い時には、無理に汗をかいて体温を下げようなどせず、安静にして人間本来の防御作用で自然に汗をかくまで体力を温存することが回復への近道といえるでしょう。

 

ストレスと顔汗

不安や緊張といった精神的なストレスによって、顔や手のひら・足のうらには汗が出ることがあります。

発表会やプレゼンテーションなど、持続的な強いストレスがあると、手のひらや額に多量の汗が流れることがあります。このようなストレスが原因となって一般体表面に生じる汗は全身から出ていますが、顔や手など人目につきやすい場所の汗は気になりやすいこともあり、余計に汗をかいてしまうという悪循環におちいってしまうものです。

 

「汗の種類とその原因」まとめ

以上、さまざまな種類の汗と、その原因についてご紹介しました。

汗が出る原因としては、ここでご紹介した原因以外にも糖尿病や甲状腺の疾患が原因であることもあります。

また、ストレスが原因の汗と分かっている場合には、心療内科で自律訓練法の指導を受けると、症状が改善されることもあります。早めにクリニックを受診して相談するのがおすすめです。

人目が気になってしまう顔汗だからこそ、正しい原因を突き止めることで対策を打つことが出来るのです。