顔汗を止める漢方薬とは?漢方薬のメリットデメリット

  admin 顔汗対策

顔汗に悩んでいる方や更年期のホットフラッシュで汗に困っている方は、医薬品よりも漢方薬は副作用がなく効果的と聞いた方もいるのではないでしょうか。

顔汗は漢方薬を使う対策方法は確かにあります。今回は漢方薬の特徴をはじめ、どのような種類があるかやメリットやデメリットなどを紹介していきます。

1. 漢方薬の特徴

 

実は漢方薬は中国の薬の名前ではなく、日本で独自に進化を遂げた薬の名称です。

中国では漢方薬の事を「中薬」と呼びますが、長年の歴史の中で本来中国の「中薬」にはなかった薬の組み合わせを編み出し、日本の風土や考え方に合うようにカスタマイズした物が日本独自の「漢方薬」として確立されました。

起源は中国医学を踏襲していますが、後に説明する「証」の考え方など日本独自で変化した概念もあります。

ここでは基本的には日本の漢方を説明しますが、中国医学を学んだ漢方薬の専門家は中薬の考え方を持っていることも少なくありません。

当記事を中国医学がベースの専門家に相談しても、異なる考えが出てくるかもしれません。この点を注意してお読みください。

 

① 漢方薬は身体を整える医療

漢方薬は西洋医学と治療に対する考え方が異なります。

西洋医学は、外科手術に代表されるように悪い部分を「取り去る」ことで治療や改善を促します。

一方、漢方薬はくるってしまった身体のホルモンバランスや体質を改善する事で、悪い箇所を「整える」「本来のバランスに戻す」ことで治療するという特徴があります。自然からとれる植物や海産物由来の生薬を複数組み合わせることで、様々な症状を改善していきます。

 

② 漢方薬は「証」を読み、処方される

「証」とは体質のことで、そちらに合わせて漢方薬を処方することが治療の大前提となります。「証」を診断するにはまず五感を使った四診(ししん)で体の状態を把握します。必要に応じて西洋医学の診察も行います。下に4つの診断方法をご紹介します。

顔汗を止める漢方薬の診断方法

視覚で患者さんの身体の状態を判断します。

顔汗を止める漢方薬の診断方法

聴覚と嗅覚で患者さんの身体の状態を判断します。

顔汗を止める漢方薬の診断方法

対話で患者さんの身体の状態を判断します。

顔汗を止める漢方薬の診断方法

触覚で患者さんの身体の状態を直接確認して判断します。

 

次に、得られた情報を元に患者さんの現在の「証」を判断します。

日本の漢方では主に実証、虚証を使用します。簡単に言い表すと

実証=強壮体質

虚証=虚弱体質

虚証 体力がなくて弱々しい 細くて華奢(きゃしゃ) 顔色が悪くて肌が荒れやすい 細くて小さな声 胃腸が弱くて下痢をしやすい 寒がり 実証 体力がある 筋肉質でガッチリ 血色がよく、肌ツヤがある 大きくて太い声 胃腸が強くて便秘ぎみ 暑がり

漢方のツムラ「私に合う漢方薬の見つけ方」より引用

上記の図のようになります。

そして「気・血・水」という3つうち、どの要素が異常を示しているかを踏まえて最適な漢方薬を処方するか決定します。

漢方のツムラ「私に合う漢方薬の見つけ方」より引用

「証」を誤ってしまうと薬が効かないばかりか、身体に合わない漢方薬を飲むことになる為、身体に悪い影響が出てしまうこともあります。専門的な漢方のお医者様に今の自分はどの「証」にあてはまるかを診察してもらうことが大事です。

 

③ 服用のタイミングは基本的に空腹時

漢方薬は西洋医学の薬と異なり、基本的には空腹時の服用が推奨されています。これは漢方薬が生薬を調合した物であることに関係しています。漢方薬を吸収しやすくするためには、空腹時の方が効果的です。また、植物や海産物などを原料としているので、食べ合わせで副作用を起こすリスクを軽減する為でもあります。しかし、種類によっては例外もありますので、こちらもお医者様の服用方法に従ってください。

 

④ どこで購入できる?

身近なドラッグストアや、病院、漢方専門のクリニック、漢方薬局など様々な場所で購入できます。

市販品は、自分で自分の「証」を判断して服用しなければいけない為、効き目が出づらい可能性もあります。

病院や漢方薬局で顔汗に対応できる漢方薬を出してもらう方がおすすめです。

 

2. 顔汗は漢方薬を使えば止まる?

結論から言うと、漢方は身体のバランスやホルモンを正しい状態に戻す事が目的なので、ピタっと止まることはありません。汗を止めることは人本来の機能を無視してしまう為です。

しかし、多汗症が原因で顔汗が過度に出ている状態や緊張すると余計に汗が出てきてしまう方には、汗にアプローチして症状を緩和させる漢方薬はあります。

症状別にどのような漢方薬があるのか紹介します。

① 精神的な発汗

緊張や不安の緩和など、感情を安定させて汗を抑える作用の漢方薬です。

・柴胡加竜骨牡蛎湯

・柴胡桂枝乾姜湯

② 食生活や体温による発汗

身体の熱を冷ます作用がある漢方薬で、上半身の熱を取り去ります。

・黄連解毒湯

・茵陳蒿湯

③ 肥満などの発汗

体内の水分量を整える作用の漢方薬です。こもった熱の他に身体に溜まった余分な水分なども排出する働きもあります。

・防已黄耆湯

・防風通聖散

④ ホルモンバランスによる発汗

更年期のホットフラッシュの原因となるホルモンバランスを整える作用がある漢方薬です。他にも、イライラや血行促進にも役立ちます。

・加味逍遥散

・女神散

いずれも顔汗の「証」を見てもらい、原因に適した漢方薬で対策してきましょう。

 

3. 顔汗を止める為の漢方薬のメリット

・西洋の薬と異なり、副作用が極めて少ない。

・他の体の不調が回復する可能性もある。

・更年期の負担が少なくなる。

自然の原料を使用していて、身体に害が少ないという点が最大のメリットです。どんなに効く薬でも、臓器不全などが起こる可能性があると使用をためらいますよね。また、漢方薬は身体の調子を整える為、他の箇所の調子も良くなることがあります。例えば、『衛益顆粒』という薬は、皮膚にある汗腺の力をあげて汗を抑える作用があります。これは、疲労回復や虚弱体質の改善にも効果があります。

また、ホットフラッシュによる発汗を抑える為にホルモンバランスを整える漢方薬を服用しますが、バランスが回復する事で他の様々な更年期症状も緩和させることが可能です。

4. 顔汗を止める為の漢方薬のデメリット

・「証」に合った処方でなければ、効果がない。

・即効性が期待できない。

・費用が高額になる可能性がある。

・アレルギー反応など、副作用が0ではない。

・薬などの飲み合わせによってはリスクが高い。

最大の欠点は、合わない漢方薬では効果が出ないというが問題です。経験豊かな薬剤師さんやお医者様に処方してもらえるならば効果的です。しかし漢方の知識がない方が処方すると効かないばかりか逆効果になる可能性も秘めています。

例えば風邪には「葛根湯」が良いと頭に刷り込まれている方も多いと思います。「証」が異なる場合には逆効果になるかもしれないということは、記事を見て頂いた皆様はもうお分かりだと思います。

症状によっては即効性がある漢方薬もありますが、基本的には体質改善で汗を減らすことが目的の為、長期的な視点を持った方が良いでしょう。

保険が効かない処方の漢方薬では、当然高額にもなります。長期的に金銭の負担が大きいというデメリットも漢方ならではです。

また、同じお医者様が処方する漢方薬を複数服用する場合はリスクが少ないですが、別々の病院で異なる漢方薬や西洋の薬を処方された場合は注意が必要です。体に優しい漢方薬も飲み過ぎると危険です。別々の薬を服用する事で、気付かない内に成分を過剰摂取している可能性もあります。

更に、自然由来の原料の為、食物アレルギーと同様にアレルギー反応が起きてしまう場合もあります。自身のアレルギー抗体の検査や、どのようなアレルギーを持っているか事前にお医者様に相談した方が良いでしょう。

 

顔汗を止める漢方薬のまとめ

漢方薬と聞くと、「体にいい」と軽く考えてしまいがちです。正しく「証」を診断してもらい処方される漢方薬はもちろん問題ありませんが、そうでない場合は劇薬にもなる可能性があります。

漢方薬の正しい情報を集めて治療を進めると、顔汗はもちろん身体全体の調子を改善することも出来るかもしれません。まず顔汗でお悩みの方は、漢方薬が得意なお医者様に相談してみることをおすすめします。

もっと早く顔汗を抑えたい。漢方薬に対するリスクや金銭的負担を極力減らして顔汗を抑えたいという方は、医薬部外品の顔汗対策用の制汗剤もあります。そちらで様子見を行い、漢方を使うか否かを決めるのも良いでしょう。