顔汗、足汗…汗をかくメカニズムと症状、対策

admin 顔汗対策

汗は、体温調節の働きをする生理現象のひとつです。運動などして体温が高くなった時には、汗を出して体温を下げ、一定の体温に保つために働きます。このように、体温調節のために出る汗のことを「温熱性発汗」といい、不安や緊張を感じた時に出る汗のことを「精神性発汗」といいます。

これらの汗は、出る場所も異なりますし、出る原因も異なります。しかし、両者の発汗の機能は、互いに干渉し合っていると考えられています。

 

汗のしくみ

汗は、体温調節の働きをするもので、人間には必要不可欠といえる生理現象です。

体温の調節をするために出る汗を「温熱性発汗」、緊張や驚き、不安などから出る汗を「精神性発汗」、「辛いものや熱いものを食べた時に出る汗を「味覚性発汗」といいます。

ここでは、このうち「温熱性発汗」と「精神性発汗」のメカニズムについてご紹介します。

 

温熱性発汗と精神性発汗

既にご紹介したように、体温の調節をするために出る汗を「温熱性発汗」、緊張や驚き、不安などから出る汗を「精神性発汗」といいますが、温熱性発汗と精神性発汗は、汗の出る場所が異なります。

例えば、運動した時にかく汗は全身に汗をかきますので、顔、足、手などの一部分の汗は気にならないでしょう。

けれども、緊張や驚き、不安を感じた時には、なぜか手のひらや顔、脇の下の汗が気になったりするものです。これは、温熱性発汗と精神性発汗の汗の出る場所が異なることが原因です。

 

ただし、緊張や驚き、不安を感じた時にも全身の汗が出ることもあります。

このことから、温熱性発汗と精神性発汗は、密接に関わり合い、干渉し合って出ると考えられています。

 

交感神経と副交感神経

汗は、人間にとって体温調節のために必要な生理現象ですが、この機能をつかさどるのは交感神経です。そして、交感神経と対になって自律神経を構成しているのは、副交感神経です。

交感神経と副交感神経は、互いに上手にバランスをとっています。

温度が高い時や、動きが早まった時に働くのが交感神経で、リラックスしている時に働くのが副交感神経です。

睡眠中は、副交感神経が最も活発に働く時間帯ですが、この時「寝汗をかいたのに、手足はさらさらのまま」ということが多いかと思います。

これは、全身に汗をかくのは温熱性発汗で、手のひらや足の裏にかく汗は、精神性発汗だからです。

 

なお、交感神経の反応が普通より強いと、多汗症という症状があらわれます。

 

汗の出方

ひと言で「大汗をかく」といっても、その状況はさまざまです。

「汗が出ると思うと、ますます緊張してよけいに汗が出る」という人もいますし、「いつも手足が汗で湿っている」という人もいます。

顔や汗、足にいつも汗をかいている人は、体温を下げる働きがいつも働いているということになるので、その部分は体温下がって冷たく、あかぎれなどの皮膚の炎症を起こしてしまうこともあります。

 

多汗症とその他の病気

これまでは、顔や手、足などに多量の汗をかくといっても、生命に関わる状態ではないことから、医学的にも病気と診断することはあまりなく、「気にしすぎ」と片付けられることがほとんどでした。

そのため、汗に悩み日々の生活や仕事上の不便があったにもかかわらず適切な対処をしないまま、症状が悪化してしまい、全てにおいて消極的になってしまい、家に引きこもったり仕事を辞めてしまう人もいたのです。

現在は、このような症状は、「多汗症」という病気である可能性が高いと言われています。そして、適切な対策や治療を行えば、90%以上の人の症状が改善します。

 

多汗症とは

激しい運動をしたわけでもなく、暑いと感じているわけでもないのに、いつも顔、手のひらに汗をかいていて、「汗かき」というレベルを超えた多量の汗が出る状態を「多汗症」といいます。

多汗の原因ははっきりと分かっていませんが、そもそも発汗は、人間にとっては体温調節のために必要な生理現象で、この機能をつかさどる交感神経の反応が普通より強いと、「多汗」という症状があらわれると考えられています。

 

多汗症は、かってはあまり交換的な治療法はありませんでしたが、最近は交感神経をブロックしたり、交感神経を手術で切除するなどの治療法もあります。

ただし、これらの手術では、完全に汗を止めてしまうので、手のひらがかさかさになってしまうという症状がみられることがあります。

また、ある特定の個所の汗を完全に止めてしまうことから、代償性発汗(身体の他の部分の汗を増やす症状)がみられることもありますので、手術を検討する場合には、ペインクリニックや血管外科、麻酔科などで、専門医に十分説明を受けるようにしましょう。

 

なお、多汗症に対して生まれつき汗腺が欠如している「無汗症」という病気もあります。

無汗症は、体温調節がしづらく、運動や気温などで体温が上がってしまうと熱中症あんどを発症しやすく、この意味では、無汗症は多汗症より危険な症状といえるかもしれません。

 

多汗症以外の病気

多汗症と間違えやすい病気として、甲状腺機能亢進症、わきが、更年期のホットフラッシュがあります。

 

○甲状腺機能亢進症

代謝の亢進である甲状腺機能亢進症でも汗が異常に増えるという症状がみられることがあります。そして、手が震え、脈拍が多くなるのも特徴のひとつです。

多量の汗だけでなく、手の震えなどの症状が現れた場合には、内分泌科や甲状腺の専門医の診断を受けましょう。

 

○わきが

多汗症は水のような汗が出ますが、これはエクリン腺という体温調節を調整している汗腺から発生します。これに対して、わきがの場合の粘っこい汗は、アポクリン腺という体臭を発生させる汗腺から出ます。

このアポクリン腺は、脇の下やデリケートゾーンなど、限られた部分にしかなく、独特のにおいがあるのが特徴です。

 

○更年期のホットフラッシュ

更年期障害の症状のひとつ「ホットフラッシュ」で汗が異常に増える場合もあります。

これは、ホルモンバランスの乱れで起こるのぼせ症状で、一時的なものが多いのですが、気になる人は、ホルモン補充療法や、漢方薬などで治療を受けるとよいでしょう。

 

「汗をかくメカニズムと症状、対策」まとめ

以上、汗をかくメカニズムと症状、対策についてご紹介しました。

汗の悩みは深刻であるにもかかわらず、なかなか悩みを相談することができないケースがほとんどですが、改善できる方法はいくつもあります。

例えば、今すぐ何とかしたいと思うのであれば、冷たいペットボトルを首の後ろやわきの下に当ててリンパ節を増やすと、汗の量が減ることがあります。

また、制汗剤を利用するのも効果的ですし、ハーブティなどでリラックスさせることで、症状が改善する場合もあります。

 

日頃のケア、対策などをしっかり行っていれば、段々汗の量が減ることもありますので、焦らず自分に合った方法を見つけていきましょう。